19/02/2013

メメントモリ

マダムがボランティアで行っている博物館は、スタッフが高齢のおじいちゃんばかりです。年齢のために、足が痛くて歩くのが大変やら、神経痛で腕が始終痺れて困るなどのおじいちゃん、それから心臓病の手術をした、どこそこの手術をしたというおじいちゃんばかりです。去年一年ではスタッフの中の二人が亡くなってしまいました。

今日は、そのスタッフの一人であるビルさんの御宅に遊びに行ってきました。

ビルさんは、先日大腸癌の手術を受けました。大腸癌は初期であれば癌の中でもそんなタチの悪いものではないと聞いていたのですが、ビルさんの場合は手術をしたもののどうやらリンパに転移してしまっているとの事で、医者からは余命がどの位と既に聞いているとの事でした。

そうそう、このビルさんは、よく私に牡蠣をくれるおじちゃんです。週末や休暇を過ごすビーチハウスを持っていて、自分で牡蠣を育ててその中の幾つかを私に譲ってくれるのです。今日ももらってしまった(汗)

ビルさんが言うことは、この年まで生きてきたし悔いもない。残りの人生は自分の好きなように過ごそうと決めたそうです。

ビルさんとは、過去に一回だけ、ほんのちょっとしか会話をしたことがなかったのですが、今日は半日一緒に過ごして分かったことがあります。ビルさん、すごくシニカルな人でした(笑) そんな感想を帰宅途中、マダムに話すと「そうだね〜、ビルは前妻との間に子供がいたんだけど、子供を亡くしてからそういう風になっちゃったみたいだね。結局離婚してさらに気が滅入ってたみたいだけど、そんな時に今の彼女と会ったみたいだよ」

彼女のジョアンさんは穏やかで優しくて、素敵な女性でした。私は、実は実はすごく内向的で人見知り激しい人間なのですが(店員さんにマシュマロパイはいつ入荷しますか?とか聞けない程、人見知りをこじらせている。笑)、こんな自分がジョアンさんのオーラに包まれた瞬間リラックスできるほど安心できる人でした。こういうものを持ってる人ってほんと凄い。
ジョアンさんに出会えたことはビルさんにとってかなりラッキー事だったのでは!?そんなビルさんも、今は、少しでもジョアンさんと一緒に過ごしたいそうです。

年をとっても、そうやって心から信頼できる人と出会えるのはいいな〜。死に関しては、皆同じ土俵に立っていると思います。若いから死ぬのはまだ先だ何て事は無いですもんね。日本人は3月11日以降、やっぱり誰もが生死について考えたと思うけど、改めて私も日々を大切にしようと思いました。

ビルさんが少しでも長くジョアンさんと過ごせますように。