前回、社長が病院に行ったと書いてから更新していませんでしたが、3月16日、社長が神様の元に戻ってしまいました。実は前回ここに書いたあとくしゃみや鼻の音も改善したものの、食べ物の選り好みは一層激しくなるし、ティモシー牧草はもう食べない、野菜も選り好みして食べなくなる、食べたがるのはニンジンやリンゴ、Oxbowのティモシーが原料のトリーツ…さらにニンジンも人間が白や黄色、紫色などのカラフルなニンジンを買ってきたら普通のオレンジ色のニンジンを食べなくなって白いニンジンばかり食べたがるなど、日々好みが変動する感じでした。
また、水も自力で飲まなくなってしまったのでシリンジでこまめに与え、夜中も何度も起きて水は?大丈夫?牧草食べる?アルファルファなら食べる?などとやっていました。
また、社長がおしっこをしづらそうにする事があったので、年齢からも腎不全になっているのではないかと、結局社長のかかりつけのダン先生に3月1日に行ってきました。
結果的に、心臓肥大、腎臓の一つがミネラライズして機能していない、腸内から出血している、関節炎も、あと貧血も起こしているようだ
とにかく色んな部分が悪くなっていたんです。その日から心臓の薬を飲むことになりました。先生によると、翌日からもう少しアクティブになるとの事でしたが、社長の行動には変化はありませんでした。
そして、血液検査の結果、貧血と腸炎が確定したのでその薬も二種類追加で飲むことになりました。しかし、薬を飲んでも社長は日に日に弱っていくし、また斜頸の症状も出てきてしまいました。息をひきとる3日前には寝っ転がったまま体を動かしていたので「!?!?」と思い、もうダメかもと仕事中のマダムに連絡して帰宅してもらいました。しかし、しばらくしたら起き上がって食べたいものを食べ、いつもどおり過ごしていたのでホッとしましたが、その翌日には完全に立てなくなってしまったんです。
その日、寝る時には私の隣に社長を寝させ、お尻の部分にはペットシーツを敷いておしっこしてもすぐ交換できるようしました。おしっこをする時、社長は足をバタバタバタと三回動かして教えてくれたので、例え寝ていても速攻で目を覚まして社長の足をあげておしっこさせてあげました。その日の夜は何故か普段より多くおしっこが出て5回くらい起きたと思います。姿はかわいそうなんだけど、そうやってお世話できるのがとても愛おしく感じていました。それまでは後ろ足なんて絶対に触らせてくれませんでしたし!(笑)
そして、その次の日、16日。本来ならマダムはこの日から出張で1週間ほど不在のはずだったのですが、社長のために出張をキャンセルしてくれました。昼間は社長も寝たきりではいるものの食欲もあり普通に過ごし、マダムが夕方帰宅してマダムが社長にレタスなどの野菜を手であげると身を乗り出して食べるよと、まだ元気な姿を見せてくれていました。そして、私がその後リンゴを小さくカットして口元に持っていくと、二つ三つ食べたところでもういらないと拒絶。
それからというもの、トリーツも食べない、野菜も、乾燥タンポポも、お水さえ飲まなくなってしまいました。もしかしたら、もう長くはないかもしれない…
そう思って、今晩はマダムも居間で社長と一緒に寝たほうがいい!と伝えて実際に社長を真ん中にして居間で寝ました。社長をずっと撫でました。社長を撫でていると、いつも気持ちいい時にしていたように歯をカチカチと鳴らして応えてくれました。そのうち、私も寝落ちしてしまったんです。ふと目が覚めた時、社長が身体をのけぞらせている所でした。
慌てて名前を呼んでいたら、マダムも起きて抱きかかえた方が良いと言ってくれたので社長を抱き上げました。社長は口を大きく開いて呼吸していました…所謂下顎呼吸というものだったんだと思います。私の腕の中でしばらく呼吸して静かに息絶えてしまいました。
16日0:56の事でした。
もちろんその晩は眠れなかったのですが、ただ、明け方にウトウトしたようです。その時に社長が夢に出てきてあれほど食べようとしなかったティモシーをバリバリと元気に食べている姿を見ました。もしかして私が「牧草も食べない、ペレットも食べない、お姉ちゃん困っちゃうな〜」とその頃毎日社長に言っていたので、最後に牧草を食べて「元気な俺の姿」を見せてくれたのかも知れません(笑)
社長は私にとっては恩人(恩兎?)でありヒーローです。
アメリカで仕事ができるほど英語はできない、家でただくすぶっててやる事と言ったらマダムが「このデザインしてくれない?」と持って来てくれる話だけ。今思うとトンだ生ける屍だったと思います(笑)そんな時に社長をお迎えして、むくむくと何かやりたい衝動にかられてまずやった事は社長を描くこと、そして社長をモデルにデザインする事。社長がインスピレーションの源で私の人生がどんどん色づき始めました。そして、結果的にLopshopを立ち上げよう!という所まで行きました。
社長が残してくれたものは沢山あります。もし、私の元に社長が来なかったら、考えるのも恐ろしいですが家でまだボケーっとしていたのではないかと思います。私には社長の存在はとんでもなく大きすぎました。それだけに喪失感で一杯ですが、でも最期に看取れたのは少なくとも幸せな事だったと思います。
昨日の朝、マダムが言いました。昨晩寝ようとベッドに入ったら、廊下を寝室に向かって走ってくる社長の足音が聞こえたと。社長はまだウチにいるのかもしれません。しかし、0感の私には見えないし、聞こえもしません。ただ、普段夢を覚えていない私が、明け方になると社長の夢を見て目が醒めることはあります。マダムがその話をした日の明け方、社長が私の足に鼻先をツン!とやって挨拶してくる夢を見ました。そして、その日、ペットの火葬場から連絡があって社長の遺灰を引き取りに来てくださいという連絡がありました。もしかしたら俺の体が帰宅するぞ!起きろ!と教えに来てくれたのかもしれません(笑)
社長の遺灰は大きいプランターに土と一緒に入れてラズベリーでも育てようと思っています。さ、社長、これからはラズベリーを一緒に育てよう!私も枯らさないよう責任重大です!
この6年、社長のお世話が綿密になっており、私以外の人間にはお世話は無理だろうとずっと日本には帰国しないでいました。とにかく社長から目が離せない、私も社長のそばにいたい状態でした。なので、近々久しぶりに日本に帰国します。社長ももしかしたら私と一緒に日本に行くかもしれませんね。日本を見せてあげようと思います。
上の画像は私のiPhoneに入っている社長の最後の姿です。