シアトルの美術館、通称SAMでは、現在ロンドンのケンウッドハウスから貸し出されているレンブラントの作品を中心とした絵画展が開催されています。それが、今月半ば?で終了するので慌てて行ってきました。美術館に到着してはじめて、展覧会の音声ガイドがiPhoneアプリにあることを知って、これまた慌ててダウンロード。
まずは、十七世紀のオランダ画家による風景画からスタート。そして、レンブラントやゲインズボロ、レイノルズなどによる十八世紀の肖像画、ターナーやフランソワ・ブーシェの風景画、子供を題材とした作品で締めくくり。次の部屋では、ケンウッドハウスからの貸し出しではなく、ヨーロピアン・マスターズ/ トレジャーズ・オブ・シアトルという事で、他ヨーロッパの作品が展開されていました。
ざくっと観て…レンブラントレンブラントと大いなる宣伝をしていた割には…?レンブラントの肖像画一枚。それから、私は個人的にターナーの作品を楽しみにしていたのですが、ターナーも一点。いや、まぁケンウッドハウスからの貸し出しだからもちろん所有作品に偏りはあるのは分かるが(しかもケンウッドハウスには行ったことがないし)、SAMの広告はちょっと肩透かしな感じでした。
とはいえ、これまでイギリスの美術館でスルーしていたゲインズボロの作品(あんまり興味がありませんでした) をここで観られた事は大きな収穫でした。彼の作品は、私の適当な記憶の中では緻密に丁寧に描かれてると思っていました。しかし実際にはかなりラフな筆使いによって描かれていること。これは印刷物なんかではきっとよくわからないと思うのですが?ザクッザザーーーー!と、すごく大胆な筆致。下手したらそんな乱雑でいいの!?という具合のレディ・ブリスコのドレスの描写にちょっと驚いた。いやぁ、ゲインズボロってこんな人だったんだ!なんだか人間味を一気に感じてとても好きになってしまいました(笑) 大きな作品が多く、そもそも恐らく遠くから見ることになる作品なので(どこぞの館などに飾るため?)、実際に離れて観ると不思議なことに凄く緻密に描かれているように見えるところもゲインズボロマジック?
しかし、大型の作品が多いにも関わらず展示のライティングに難あり。作品が光ってしまって、ものすっごい後ろに下がらないと鑑賞できない。近寄って細部を観たいときは、光の当たらない一方向からしか見えないというライティングの罠。混雑していなくて本当に良かったです。混雑していたらおそらく満足に楽しめなかったと思います。
それから、レンブラントの件ですが、実はエッチングの小品が充実していました。このエッチング作品群…これまたレンブラントってこんな人だったの?状態。絵の題材の一つは、スカートの中を覗き込む羊飼い…なにやらニタァと笑みを浮かべた羊飼いがフルート?だか楽器を吹きながら隣の女性のスカート内を覗き見してるんです。なんだこのテーマは!(笑) 他のエッチング作品は、テーマは普通に真面目なものの、手前に描かれた犬をよく観ると…あそこを必死で舐めている所だったり(笑)、また他のエッチングでも、描かれている他の部分はまともなのに、またもや手前の犬が生理現象によるあの行動とブツそのものが描かれていたり(笑) このエッチング作品はかなり面白かったです。こういう所から、他の作品からはなかなか垣間みえない画家のユーモアや人間味が伺えるとラッキーな気分になりますね(笑)
最初に会場を一周した時にはちょっと落胆したのですが、最終的にはとても面白い展覧会でした。